地下水利用クーラー
地下水利用クーラーとは
地下水利用クーラーとは、名前の通り井戸水などの地下水を利用して冷風を作りだす空調機器です。
一般的に、空調の電気使用量の約90%を占めるのが、室外機のコンプレッサです。追加水利用クーラーは、地下水を利用して冷却するため、コンプレッサが不要です。そのため、電気代を大幅に削減することができます。
17℃の地下水から約25℃の冷風を作り出すことができ、主にスポットエアコンの代替として利用されることが多いです。もともと地下水を利用しており、地下水配管が敷設されているような工場であれば、工事費もおさえることができます。
さらに、水を利用した冷却装置の場合、加湿されて結果的に不快指数が高まることが不安視されますが、この地下水利用クーラーは、除湿をしながら冷却することができ、そのような不安も問題ありません。
このような方におすすめです
✅ 夏場の工場内の温度が40℃近くなり、従業員の健康面が不安…
✅ スポットクーラーを使用しているが、廃熱により室温が上がってしまう…
✅ 電気代が高騰しているため、空調にかかる電気代を少しでも抑えたい…
✅ 地下水が豊富にあるが、有効活用できていない…
✅ 局所的に暑い場所があるため、スポットクーラーで冷やしたい…
地下水利用クーラーの構造
地下からポンプでくみ上げた冷たい地下水と、吸い込んだ空気で熱交換を行います。一般的な地下水の平均温度は約17℃です。室温が35℃だとすろと、17℃の冷水から24~25℃の空気を吐き出すことができます(-10℃)。
地下水利用クーラーの特徴
①高い省エネ性能
空調にかかる電気代の約90%を占めるのが、室外機のコンプレッサです。これにより、空気を温めたり冷やしたりします。一方、地下水利用クーラーは、コンプレッサではなく地下水との熱交換を利用するため、大きな電力を消費するコンプレッサが不要です。電気を使用するのは、送風機のみの為、通常のパッケージエアコンの約1/10の電気代で使用することができます。
②除湿効果がある
湿度には、「相対湿度」と「絶対湿度」があります。室内の快適さと湿度の関係性を知る上で、まずはこれらを正しく理解する必要があります。
・相対湿度:
ある温度の空気中に含みうる最大限の水分量(飽和水蒸気 量)に比べて、どの程度の水分を含んでいるかを示す値。<%RH>
・絶対湿度:
湿り空気(一般に存在する空気)中の乾き空気(全て水分を含まない 空気)1kgに対する水蒸気の重量割合。<kg/kgDA>
例えば、気温35℃相対湿度60%の空気を、地下水利用クーラーにより気温25℃相対湿度88%の空気にしたとします。すると、下の図からわかるように、相対湿度は上がっているものの、空気中に含まれる水分の絶対量は減ります。これにより、不快指数も地下水利用クーラーを使用したことで低下するのです。
③廃熱を出さない
通常のスポットクーラーは、局所的に冷たい空気を送り出す代わりに、どうしても廃熱が出て室内温度全体が若干上昇してしまいます。一方地下水利用クーラーは、下の図からわかるように、吸い込み温度よりも低い温度の空気を排熱として吐き出す(④冷却出口)ため、室内温度の上昇にはつながりません。
地下水利用クーラーの設置事例
化粧品製造工場にて、夏場の倉庫内の暑さにより製品品質が下がることを懸念し、6/12~25の2週間、地下水利用クーラーのデモ機を1台設置し、温度測定を行いました。
すると、地下水利用クーラーから吐き出す空気は、平均して約20度前後まで冷却されていました。最高外気温30℃だった2日間においても、吸い込み温度27℃に対して吹き出し温度が21℃となっており、6℃の冷却に成功していました。
よくあるご質問
①地下水を利用しているということは湿度があがってしまうのではないですか?
空気中の水分を取り出す除湿機能があるので、相対湿度は上がりますが、絶対湿度はあがりません。
人間の不快指数に関与するのは、このうち主に絶対湿度であるため、快適性が向上します。
②水量はどのくらい必要ですか?
稼働時間や施工する部屋の容積によりますが、最低でも一日8時間稼働で、8.8トン以上必要なります。一時間当たり1.1トン以上の地下水が必要です。
③作り出される冷風の温度調節はできますか?
温度調節はできません。実際は、エアコンと併用し空調負荷を抑えるような使用方法をされている方が多いです。
④風量の調節はできますか?
風量の調節はできません。風量は製品の型式によって異なります。施工したい部屋の容量に合わせて、型式をご提案します。
⑤メーカー保証はついてますか?
メーカー保証は1年間の製品保証がついています。
⑥防爆区域内で使用可能ですか?
オプションで防爆仕様にすることも可能です。