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来夏の工場暑さ対策は秋から始める|現地調査・予算化・工事までの年間スケジュール

夏の工場で「冷房を入れても暑い」「熱源の近くで作業する従業員が心配」「どの対策から始めればよいか分からない」と感じても、猛暑の最中に調査・予算化・工事を一度に進めるのは簡単ではありません。

来夏に向けた暑さ対策は、気温が落ち着く秋から始めるのがおすすめです。夏の課題が記憶に新しいうちに現場の声と記録を整理すれば、原因に合った対策を検討し、社内稟議や工事時期にも余裕を持たせられます。

この記事では、岐阜県・愛知県をはじめとする東海地方の工場担当者様に向けて、暑さ対策を進める年間スケジュールと、現地調査で確認したいポイントをご紹介します。

なぜ工場の暑さ対策は秋から始めるのか

工場の暑さは、外気温だけで決まりません。日射で熱くなった屋根・外壁からの輻射熱、炉や乾燥機、蒸気配管などの生産設備、換気不足、空調された空気の流出など、複数の要因が重なって発生します。

そのため、対策も「大きなエアコンを追加すれば解決」とは限りません。熱が入る場所、発生する場所、たまる場所、人が長く作業する場所を整理し、遮熱・断熱・換気・局所空調・全体空調などを組み合わせることが重要です。

  • 夏季の温度記録やヒヤリハットを整理できる
  • 現場責任者や作業者から困りごとを聞き取れる
  • 複数の対策を比較し、優先順位を決められる
  • 来年度予算や補助制度の活用を検討できる
  • 生産への影響が少ない工事時期を確保できる
  • 対策後の夏に効果を測り、次の改善につなげられる

まずは「暑い場所」ではなく「暑さの原因」を調べる

1.WBGTと温度分布を確認する

暑熱リスクの把握には、気温だけでなく湿度、風速、輻射熱を考慮した暑さ指数(WBGT)が役立ちます。厚生労働省のガイドラインでも、WBGT値を測定し、作業強度や暑熱順化の状況に応じた対策を行うことが示されています。

測定は工場の入口付近だけでなく、作業者が長時間滞在する場所、熱源設備の周辺、天井付近の熱がたまりやすい場所など、条件の異なる複数地点で行うことが大切です。可能であれば時間帯ごとの変化も記録します。

2.屋根・外壁から入る熱を確認する

折板屋根や金属外壁は日射の影響を受けやすく、屋内に輻射熱が伝わることがあります。屋根や天井面が主な原因であれば、遮熱塗装、遮熱シート、断熱材などを比較します。

ただし、建物の構造、結露の可能性、既存設備、施工できる範囲によって適した方法は異なります。製品の数値だけで判断せず、現地条件に合わせた検討が必要です。

3.工場内の熱源と空気の流れを確認する

炉、乾燥機、コンプレッサー、蒸気配管などの発熱設備がある場合は、熱源を覆う、遮熱する、熱気を局所排気する方法を検討します。

同時に、給気と排気のバランスも確認します。排気ファンを増やしても、必要な給気が確保されていなければ、期待した換気量を得られない場合があります。空調設備がある工場では、冷気を屋外へ排出していないかも重要な確認項目です。

4.人がいる場所と作業内容を重ねて見る

工場全体を同じ温度にするより、人が長く作業する範囲に冷気を届ける局所空調が有効な場合があります。一方、品質管理のために室温・湿度を一定にする必要がある工程では、建物全体や区画単位の空調計画が適しています。

作業強度、作業時間、服装、休憩場所、交代体制など、設備以外の条件も一緒に確認しましょう。

暑さ対策の優先順位を決める4つの視点

視点 確認する内容 対策例
熱を入れない 屋根・外壁・開口部からの熱 遮熱、断熱、ビニールカーテン
熱を出す 熱気や湿気がたまる場所 局所排気、換気設備、給排気計画
熱源を抑える 炉・配管・乾燥機など 熱源の遮熱、保温、設備更新
人を守る 作業者の滞在場所と作業強度 局所空調、休憩場所、送風、運用改善

対策は、効果だけでなく、初期費用、ランニングコスト、生産停止の必要性、保守性も含めて比較します。短期対策と中長期対策に分けると、社内で合意を得やすくなります。

来夏に間に合わせる年間スケジュール

10~11月:今夏の課題整理

温度・WBGTの記録、体調不良やヒヤリハット、暑さに関する現場の声、空調電力の変化を整理します。「いつ・どこで・どの作業がつらかったか」を具体化しましょう。

11~1月:現地調査と対策案の比較

建物、熱源、換気、空調、作業動線を確認し、原因ごとに対策案を整理します。一つの設備だけでなく、複数案の効果と費用を比較します。

1~3月:予算化・社内稟議

工事費だけでなく、運転費、保守費、生産への影響も含めて検討します。補助制度を活用する場合は、公募時期や対象要件が毎年変わるため、必ず最新の公募要領を確認します。

3~5月:設計・機器手配・施工

暑くなる前に工事を終えるため、機器の納期や工場の停止可能日を確認します。生産設備の周辺工事では、安全対策や施工範囲の区画も事前に決めておきます。

6~9月:運用と効果検証

対策前後でWBGT、室温、湿度、消費電力量などを比較します。現場の体感や作業性も確認し、運転方法や風向きを調整します。

設備対策と緊急時対応は両輪で

厚生労働省によると、2024年の職場における熱中症による死傷者は1,257人で、約4割が建設業と製造業で発生しました。また、2025年6月からは、熱中症のおそれがある作業者を早期に発見する体制、重篤化を防ぐための手順、関係作業者への周知が事業者に求められています。

設備によって暑熱環境を改善するとともに、WBGTの把握、休憩・水分塩分補給、健康状態の確認、異常時の連絡・搬送手順なども整えておきましょう。

秋の現地調査から来夏の暑さ対策を始めませんか

工場の暑さ対策は、原因と作業環境によって適した方法が異なります。美濃冷暖では、空調・換気・遮熱などの設備を一つに決めつけず、現地の状況に合わせた改善方法をご提案します。

「どこから手を付ければよいか分からない」「来年度予算のために概算を知りたい」「稼働を止めずにできる方法を検討したい」といった段階でも、お気軽にご相談ください。

参考情報

※本記事のアイキャッチ画像はイメージです。実在の施工事例ではありません。