カーボンニュートラルコラム

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カ-ボンニュ-トラル、脱炭素経営へ向けた取り組み

カーボンニュートラルとは、自然災害が激甚化する中で、地球温暖化に伴う気候変動に対する危機感が世界中で強まっています。その地球温暖化の原因は温室効果ガスとされています。CO2をはじめとする温室効果ガスの排出量から植林、森林管理等による吸収率を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを意味します。脱炭素経営とは、気候変動対策(≒脱炭素)の視点を織り込んだ企業経営のことで、経営リスク低減や成長のチャンス、経営上の重要課題として全社を挙げて取り組むものです。 取り組みによるメリットとしては、脱炭素経営を事業成長へのチャンスと捉え、カーボンニュ-トラルに向けて全社を挙げて取り組み、新たな強みを作ろうとする考え方が広まっています。 先行して脱炭素経営に取り組む中小規模事業者では、「脱炭素経営が進んでいる企業」「先進的な企業」という良いイメージや、光熱費、燃料費の低減につながる対策へ取り組み、年々高騰する原材料の対策にも、企業の業種によっては光熱費が半分近く削減できることができます。              

脱炭素経営に向けたステップ

①情報の収集:脱炭素経営に関するセミナ-や、講演会や地域、業界におけるカ-ボンニュ-トラルに向けた目標や、取組等を把握することができます。また、政府や自治体等による補助制度等の情報も収集することができます。さらに、自社のバリュ-チェ-ン上の企業の動きや消費者の動きも重要です。取引先や顧客との情報の収集と、カ-ボンニュ-トラルへの取組の状況や要望、ニーズの変化等の情報を収集しましょう。地方自治体や商工会議所、地域金融機関等では、脱炭素経営に関連する相談窓口等を設けていることがあります。相談することで、情報のヒントを得れることもある為、何からはじめてよいか分からない時や行き詰まった時は、各機関に相談することを検討して、こうした情報を自社に置き換えて、整理してみましょう。

②方針の検討:2050年カ-ボンニュ-トラルの達成に向けた、自社の脱炭素経営方針の検討をしましょう。検討した方針を踏まえ、「自社ができることは何か」「どのような付加価値を提供できるのかを」考えます。

③CO2排出量の算定:CO2排出量を算定してみましょう。CO2排出量は、活動量(電気や燃料の使用量)に係数を乗じることで算定することができます。業務日報や請求伝票記載の電気・ガス等の使用量等から情報を収集し、算定しましょう。業界団体や自治体等がCO2排出量の算定ツール等を提供している場合があります。効果的に進めるためには、活用を検討をすることも大切です。(環境省でも、省エネ法・温対法・フロン法電子報告システム(EEGS)を令和6年度から温対法報告義務対象以外の事業者も算定公表利用できるよ整備を進めています。)

④削減するべき設備の特定:自社のCO2排出量をより知るためには、事業所単位や事業活動単位で分析してみましょう。例えば、グラフを作成することもも有効です。グラフ化して、横並びで比較することでより、分析がしやすくなります。

⑤削減対策の策定:削減対策から実施可能な削減対策をリストアップし実施計画を策定します。時系列や事業所・設備間等の観点で比較し、自社のCO2排出量の特徴を分析しましょう。特徴を捉えることで、削減対策を検討するヒントを得ることができます。

⑥削減対策の実行と効果の検証、対策、計画の見直し:実施計画に沿って削減対策を実施しましょう。設備投資が必要な対策の実施にあたっては、経済産業省・環境省では、中小企業のカ-ボンニュ-トラル支援策の国の補助金制度があります。自社の削減対策に活用可能か検討してみましょう。また、地方自治体でも補助制度にて支援をしているばあいもありますので、併せて検討してみましょう。

中小規模事業者にとってカ-ボンニュ-トラルに向けた取組・脱炭素経営は厳しい事業環境を乗り越える糸口となり得るでしょう。